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今日もいつも通り授業を聞いて、たまに眠くなってあくびをして。
だけど、絶対に寝ない。どうにかこらえて、黒板を移す。
今日の先生はハーフアップをしていた。
しかし髪の長さは肩上なのでくくった部分がぴょこんと跳ねている。
先生はくくってない方が似合いますよ。
心の中でそう言うが実際に言えるわけもなくて。
そうだ、思い出した。
あれは9月のことだった。
夏休みが明けて学校へ来てみると、先生は長かった髪をバッサリ切っていたのだ。
あの時、初めて先生をちゃんと見た。
長い方が好きだった私はすごく惜しく思えて。
多分その時に初めて先生に対して感情を抱いたんだ。
その時はまだ『好き』ではなかったけれど。
そんなことを思い出していると突然名前を呼ばれた。
当てられたのだ。ヨーロッパで起こった事件の名前。
先生は皆を名字で呼ぶ。もちろん私も例外ではない。
そのことにいつも少しだけ落胆を覚える。
机の上に広げた教科書を見ながら記憶を探る。
これは去年も習ったところだから絶対に知っているはず……。
とは思っても思い出せず、結局教科書から探した方が早かった。
私の答えに先生は満足したように頷き、黒板に書いていく。
その後ろ姿を見ながらとても胸が苦しくなった。
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