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先生を好きなのは私だけで、先生にとって私なんてただの生徒の一人なんだって。
そんなこと分かっているけど、やっぱり特別に思われたい。
「結城」って私の名前を呼ぶ声が聞きたくて何度も当てて欲しいと思う。
だけど先生はいつも決まった人ばかりを当てるから、授業中に目が合わないこともある。
仕方がないって知っている。だけど、やっぱり……。
それでも私は先生を好きでいるだけで満足だと、心からそう思っていた。
中間テスト。それは私にとってはちょっとした戦いだった。
少しでも先生の目にとまりたくて、ただひたすらに勉強をして、100点を目指した。
だけど、結果は99点だった。
漢字間違い。たった一文字の間違いが私から100点を奪っていったのだ。
すごく悔しくて、ついその悔しさを表に出してしまった。
そしたら先生も「惜しかったね」って何回も言ってくれて、なんとなくそれで満足できたような気もした。
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