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みっちゃんと出会ってから数ヶ月後のある日のこと、その日は幼稚園のお泊り会があった。
夜になり花火で遊ぶ時間になると、皆火のついた花火片手に駆け回り、先生達に怒られながらも思い思いにはしゃいでいた。
「あ!あーちゃん!こんなとこにいたー!」
「みっちゃん?」
皆の輪から外れて隅にあるタイヤの遊具に座っていると、みっちゃんが駆け寄ってきた。
「もー!探したんだよ!こんな所で一人で何してるの?」
頬を膨らませて捲し立てる彼女の質問には答えず、黙って空を指差す。
「空?星?」
「星。星見てたの」
「綺麗だね…星好きなの?」
「うん、大好き。きっと、大人になってもずーっと好き」
星が好きな母には、毎晩絵本ではなく星の図鑑を読み聞かせてもらっていた。この季節にはこんな星座が見える。あの星座にはあんな綺麗な星が一等星として輝いている。この星座にはこんな物語がある。
物心ついたときには私も立派な星好きになっていて、今度の誕生日には新しい星座早見盤をおねだりしている最中だったりする。
「そうなんだ!星って凄い綺麗で素敵だもんね」
ふと隣にいる彼女を見ると、大きな瞳をキラキラと輝かせて星空を眺めていた。
「みっちゃんも、星、好きなの?」
「好き!好きだったけど…あーちゃんも好きって聞いたら、もっと大好きになった!」
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