それから

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 シャツの間から手をすべりこませる。  九年前より肉付きがよくなったような気がする。でも、なめらかでずっと触っていたい。 「う……っ」  乳首に触れるとそれまでの騒がしさが、波が引くように一気に影をひそめた。あるのは吐息と、心臓の鼓動と、熱い視線だけーー。  斎間は西の服を全部脱がした。西の手により、斎間も上半身裸になる。  片方の乳首を舐めながら、もう片方の乳首をおはじきのように指ではじいた。 「うっ、はあ……うっ……」  どんどん固くなっていくそれを見るのはおもしろかった。同時にいとおしい。 「はあ、はあ……も、う」  切羽詰まった西の声に、下半身がグッと反応する。互いに触ってほしいと、せつなく震えていた。  西を膝の上に乗せ、斎間はパンツの中から自分のものを出した。  互いのそれをくっつけると、熱さに脳が溶けそうになる。互いの手でくっつけたものを扱きながら、どちらともなくキスをする。 「……まえに、も……やったよね……っ。これ……」  キスの合間に耳元で囁くと、西は頭を横に振って、 「い、言う、な……っ」  と、泣きそうな顔で言った。  かわいかった。昔はただ好きという感情だけで相手に触れていた。  だが今は?  かわいい。いとおしい。なんて気持ちよさそうな顔をするんだろう。  西を見ていると、いろんな『声』が内側からあふれてくる。  やっぱり好きだ、と思った。もっと乱れさせたい。甘やかしたい。この体を、自分だけのものにーー。  斎間は体勢を変え、西をベッドに降ろした。  イカせてもらえなかったことに不服なのか、西は信じられねえ、という顔をしている。
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