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電話をかけて病室に戻ると、宗太はおばさんと笑って話していた。
「さぁて、紳一君も戻って来たし、母さん帰るわね!お父さんのご飯の支度しなきゃ。
明日迎えに来るから。」
おしゃべりで、にぎやかなおばさんが帰ってしまうと、急に静かになった。
「あの、」「ねぇ、」
同時に口を開き、譲りあった。
「紳。僕ね、紳の事が好きだ。
紳に彼女がいるのはわかってるけど、伝えたかったんだ。
大好きだよ。」
目に涙を一杯に溜めて笑う、いじらしくも可愛い宗太を、気付いたら抱きしめていた。
「宗太、俺もお前が好きだ。」
ん?ちょっと待て?俺に彼女?いないぞ!そんなの。
「なぁ、俺に彼女ってどういう事だ?」
「だって…。キス…してたでしょ?駐輪場で。」
「はぁっ?してないよ。
…まさか、それで走って逃げてったのか?」
頷いた宗太。マジか…宗太の事故、俺のせいじゃん…
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