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その薄茶色の瞳がランバートへと向く。そして僅かに首を傾げた。
「ランバート? トレヴァー、お前誘ったのか?」
「勿論!」
「相変わらず怖い物知らずだな」
そう言いながらも、青年は顎に手をやって少し考える。そして直ぐに視線を上げて、トレヴァーとランバートを見た。
「俺も混ぜてくれないか?」
「勿論! やった、ゼロスがいると助かる」
手を上げて喜んだトレヴァーの脇に立った青年が、ランバートに手を伸ばす。ランバートもしっかりと握手を返して、改めて向き直った。
「第一師団のゼロスだ。お前の噂は色々聞いている。正直興味があったんだ。よろしく頼む」
「第二師団のランバートだ。俺こそ、よろしく頼む」
互いに名乗って、後は笑う。彼もまた気持ちのいい相手だ。
「あとは……」
「トレヴァー、楽しそうな事してるじゃん」
「のわぁぁ!」
ランバートとゼロスが自己紹介をしていると、突如側のトレヴァーが悲鳴を上げる。驚いて見ると、後ろから腕が回っていた。
なんとも独特な雰囲気のある青年だった。褐色の肌に顔にかかる黒髪、瞳は切れ長の紫色だ。黒縁の眼鏡をかけた青年は、端正な顔に薄い笑みを浮かべている。
「レイバン」
呆れた様子でゼロスが声をかける。それに、紫の瞳が向かって楽しげな笑みが浮かんだ。
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