【おまけ1】打ち上げ

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「いないかな。仲間や友達としての付き合いはあっても、恋人なんて関係は。第一、追われるのって苦手なんだ。なんか、重荷になってきて。同じ相手と四六時中ってのも、面倒になってきたし」 「うわぁ、根っからの遊び人。ランバート不潔」  ボリスの質問に答えると、横合いからハリーが野次を飛ばして首に抱きついてくる。けっこう酔いが回っている様子だ。 「家が五月蠅く言ったんじゃないのかい?」 「言わないよ、うちは。ヒッテルスバッハは恋愛婚推奨なんだ。珍しいだろ?」  首を傾げて苦笑で言った。実際かなり珍しいと思う。貴族の家は政略結婚が大概なのに、ヒッテルスバッハは昔から恋愛婚。相手の身分もあまり問わない。周囲が五月蠅く言おうが、当人達がそれで覚悟ができているならそれでいいという家訓だ。 「確かに珍しいな。俺には兄が二人いるが、五月蠅く言われていた。毎日のように見合い話を持ってこられて面倒だと、この前帰ったら愚痴られたよ」  苦笑したゼロスがそんな事を言う。結婚適齢期ともなると、それが普通なのだろう。 「ランバートは兄弟いるよね」  レイバンが気のない顔で言う。既に体は離れている。対してハリーはベタベタだ。多分、そういう酔い癖なんだろう。 「そいつウザいだろ? なんなら一発殴ってもいいぞ」 「コンラッド五月蠅い。ランバートって、いい匂いするんだ。それに好きにさせてくれるから結構好き。顔も好み」     
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