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「トレヴァーも兄弟仲がいいよ。上にお兄さん、下に妹かな。この妹が可愛くてさ! まだ十三だったと思うけど、小さなレディーって感じで」
レイバンが意外と詳しく教えてくれる。それらを聞いていると、ふとランバートはある疑惑を抱いた。
「レイバンって、ショタコン?」
思わず言った言葉に、全員がちょっと凍り付く。レイバンは紫の瞳を少し大きく見開いて、次には豪快に笑った。
「つまり、小さい子が好きって事?」
「いや、コナンにも随分優しいし、コナンも懐いたし」
「単に、庇護欲があるってだけ。性的な意味では見てないし、見られない。俺は一人っ子だから、妹とか弟が欲しかったんだよね。だから、憧れ? うーん、疑似体験?」
酒を飲んで更に笑うレイバンの言葉に嘘はなさそうだ。それにしても、そんなものか。
「一人っ子なのに騎士団入ったの? レイバン、家大丈夫?」
ハリーがランバートにくっついたままでそんな事を言う。確かにそうだ。騎士団は基本、女性との婚姻を認めていない。女性と結婚して家を継ぐとなれば、退団しなければならないはずだ。
レイバンは少し考えて、ちょっと寂しそうに笑った。
「俺の家はもう没落したの。だから、継ぐ家もない。親も死んだし、家も家財もすってんてん。だから、俺は死ぬまでここにいるのよ」
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