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【おまけ2】贈り物
昇級試験が無事に終わり、それぞれの段位も決まった。
全員が青いラインの入った腕章を各師団長から渡される中で、ランバートは一人いたたまれない気持ちでもあった。
「それにしても、やっぱランバートは凄いよな。いきなり青十位なんて」
チェスターが目を輝かせて嬉しそうに言うが、ランバートは少し複雑だ。まさかいきなり、二年目で貰える最高位に入るなんて。
「おかしいな、一番反省文と謹慎と始末書が多いはずなのに…」
「それだけ他の功績が大きいって事だろ? 喜ぶべき所だって。それに、お前だとひがみなんて起こんないよ。なんせ昇級試験でしっかり見せつけただろ」
確かに周囲からは素直な祝福と賛辞を貰った。むしろ「あぁ、やっぱりな」という感じがあった。だが、これはどうなんだ? 少し評価が良すぎやしないか?
「チェスターは青五位か」
「普通か、少しいいくらいかな。あんまり活躍ってしてないし。日々真面目に訓練して、これといった違反もなくやってたらこのくらいだろ」
「俺、思いっきり違反しまくってる気がする」
それでもこの位置にいるのは、なんだか申し訳ない気がする。ランバートはがっくりと肩を落とした。
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