【おまけ2】贈り物

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「女性に物を贈る事もほとんどないし、そうした店も知らないんだ。オスカルなんかも考えたが、あれに頼むと何かと言われそうでな。どうも気が乗らない」 「それで俺ですか」  確かにオスカルに頼めば最近の女性の人気なども加味していい物を選んでくれるだろう。その前に散々バカにされるかもしれないが。  ランバートは笑う。正直、嫌じゃないんだ。何かあって、頼ってもらえて、それに応えられる事が嬉しかったりする。それに、一緒に出かけるのも嫌いじゃない。 「終わったら礼をするから、頼めないか?」 「お礼なんていりませんよ。では、次の安息日に」  素直に言うと安堵の息がファウストから漏れる。気が抜けた柔らかな表情が見つめるのが心地よい。笑みを浮かべ、約束をして、ランバートは心持ち足取りも軽く自室へと戻っていった。
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