【おまけ2】贈り物

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 店を出たのは昼時を少し過ぎたくらいだった。  結局ブローチと、それに合うジュエリーボックスを選んだ。小さなオルゴールのついたもので、表面には花や草をあしらった彫り物がされている。その中にブローチを納め、贈る手続きもした。一流の店だからこそ、高価な物の輸送も安心して頼める。  今は落ち着いた店で一息つきつつ、遅めの昼食を食べ終わった所だ。お茶を飲んでほっと息をついている。 「やっぱり、お前に頼んで正解だったな」  そう言ったファウストは少し疲れている。本当に慣れていないのだろう。宝飾店で既に疲れ切っている様子だった。 「思い通りの物が見つかってよかったです」 「あぁ。俺ならあの店には入れないな」 「貴方だって名家でしょうに」 「男ばかりで相手もないのに、縁のない店だろ?」 「まぁ、口にすると少し寂しいですが」  否定はせずに苦笑して、ランバートはお茶を飲み込む。久しぶりに穏やかな午後だ。  その前に、コトンと何かが置かれた。黒い小さめの箱は、金の文字でさっきの宝飾店の名が書かれている。 「これは?」 「お前にだ」 「俺に?」     
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