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「第一師団所属の、ゼロス・レイヴァースだ。俺もこのチームでのゲームを楽しみにしている。ただ、怪我のないようにだけ気をつけてもらいたい。後で一人入れるなんて、興ざめだろ?」
ニッと悪い笑みを浮かべたゼロスは、案外俗な感じなのかもしれない。ただ、間違い無く人を引っ張っていく奴だ。そう、ランバートは感じていた。
「さて、次は…」
「あの、先に僕が。最後は緊張して、声が出なくなりそうなので」
消え入りそうな声でコナンは立ち上がり、オロオロしながらも前を向く。その手がちょっと震えていた。
「コナン・オーウェンです。第四師団所属ですが、弱くて。剣も槍もあまり得意じゃありません。正直、皆さんのお役に立てるかとても心配していますが、足を引っ張らないようにだけ頑張ります。どうか、よろしくお願いします」
勢いよく頭を下げたコナンに、レイバンが大きく拍手する。席を立って隣に並んだ彼はコナンの肩を叩いて「よろしく」と声をかけていた。
案外、彼は面倒見がいいのかもしれない。視線には暖かみがあるし、表情にも穏やかさがある。おふざけはするが、相手は選んでいるのだろう。
「じゃ、最後はランバートな」
「あぁ、そうか」
気づけば最後だ。どう言えばいいかと悩みながら立ち上がり、メンバーの顔を見る。なんとも個性的で、気のいい奴らが集まっている。ここに自分が参加できている事が嬉しかった。
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