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「周囲の牽制とか、声をかけづらい雰囲気とか読まなかったのか?」
「そういうことをこいつに期待しても無駄だって、ゼロス。なんせ思考と行動が直通なんだから。ある意味いいことだと思うが」
互いを知っているような口ぶりの三人を見て、少しだけ羨ましいと思う。そしてそこに自分も参加できていることが、ちょっとだけ嬉しかった。
「三人は、入団テストで知り合ったんですか?」
遠慮がちにコナンが聞いてくるのを、三人が肯定する。それに「いいな」と呟いたコナンが、ランバートを見た。
「ランバートさんは、途中からですよね? どうして騎士団に入ったんですか?」
「あぁ、なんて言うか…婚活?」
「「婚活!」」
驚いて素っ頓狂な声を上げたレイバンとトレヴァーを見るのは実に楽しい。そして、ゼロスが頭が痛いと言わんばかりに額を押さえている。
「母に綺麗な息子が欲しいとせがまれたのがきっかけかな」
「え? じゃあ、相手探し中なわけ?」
ぎょっとした目でトレヴァーが一歩引く。ランバートはニヤリと笑って、あえて一歩近づいた。
「俺はダメだぞ!」
「分かってるって」
ゲラゲラ笑ったランバートの肩を、いつの間にか近づいてきたレイバンが組む。そして、ニッと笑った。
「俺でよければ相手しようか?」
「こら、レイバン」
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