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「はぁ? ファウスト様?」
と言われても、なんて言えばいいのか。どんな人かを語るには、まだまだ分からないのだが。
「まーた始まったよ、トレヴァーのファウスト様愛」
「ファウスト様愛?」
「尊敬してやまないファウスト様について、熱ーく語りたい」
「適当なところで切らないと厄介だぞ、ランバート」
あきれ顔のレイバンと苦笑するゼロス。その様子を見ると、相当なのだろう。
「なぁ、ランバート親しいんだろ? どんな人なんだ?」
「どんなって…そうだな。優しくて、お人好しで、案外世話好きかな。でも、話すと俗物っぽい所もあるし、付き合いもいいかな」
「おっ、深いねぇ」
レイバンは笑っている。興味が無いわけではなさそうだ。
「強いよなぁ、やっぱり。俺はあの人を見て騎士団に入ったんだ。かっこいいよなぁ」
「そういう人、多いのか?」
「あぁ、多いと思うぞ。先輩の中にもかなりいる。確かにあの人はかっこいいからな」
やっぱり行き過ぎた憧れや尊敬があるのだろう。そんな風に思えた。
「声かけないのか?」
「とんでもない! 俺程度が声かけたって、なんて言えばいいかもわかんない」
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