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安息日の朝
翌日早朝、ランバートは予め示し合わせた四人と一階の修練場へと向かった。そしてそこに、いつも通りの人影を見つけた。
「ランバート、お前…」
「遅くなってすみません、ファウスト様。もう上がりですか?」
「いや、ウォームアップが終わった所だが。後ろの奴らも一緒にか?」
ファウストの視線が背後の四人に向かう。
ゼロスは案外普通に、レイバンは楽しそうに、コナンは怯えて。そしてトレヴァーは緊張に固まっている。
「いいですか?」
「俺は構わないが」
了承を得ると、ランバートは素早く四人を前に出して、当然のようにウォームアップを始めた。
安息日の早朝練習は、この日とても賑やかだった。
ファウストは丁寧に全員と手合わせをしている。素手での組み手や、剣も。いつも組んでいるランバートは少し遠慮していた。
「トレヴァー、もう少し考えて剣を出せ。型どおり過ぎて硬い」
「すみません!」
緊張しているトレヴァーは未だにガチガチだ。ちょっと面白い。
ランバートはコナンと一緒に組み手をしている。と言っても、ほぼ指導のような状態だ。
「コナンはもう少し小技使えるといいんじゃないかな。倒そうなんて思わないで、手数を多くすると面白い」
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