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「ランバートが強すぎるよぉ」
ちょっと泣きそうになりながら訴えるコナンに、ランバートは笑っていた。
「ゼロスはいい太刀筋だ。俺の剣もよく見ている。このままの剣筋でいくのか?」
「柔軟な動きというのが、少し苦手です。力押しになってしまい、どう修練を重ねればいいかを悩んでいます」
「力で押し切るタイプを貫くのもいい。だが、少しずつ自分に合う体の動きを見極めて身につけていくのもいいだろう」
「ご指導、有り難うございます」
手合わせを終えたゼロスが丁寧に頭を下げている。普段ファウストは一年目や二年目と直接剣を合わせる事はない。実力が違う事で思わぬ怪我などさせないようにだ。
「ファウスト様って、やっぱりかっこいいな」
ぐったりと芝生に腰を下ろしたトレヴァーが言う。目の前ではレイバンとファウストが手合わせをしている。
レイバンの剣筋はかなりトリッキーだった。身が軽く反射の早いレイバンは基本なんてほぼ無視している。左右上下、どこからでも剣が飛んでくる。
だがそれに対応できないファウストではない。型も崩さないまま、全てを受けている。
「手合わせできて良かったな」
「緊張で吐きそう。でも、嬉しい」
「もっと楽しめば良かったのに」
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