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楽しいおにごっこ(レイバン)
安息日翌日、街警の仕事は午前で終わり。
レイバンは足取りも軽く宿舎へと戻ってきた。正確には、宿舎裏の訓練用の森だ。
昇級試験は週末に二日間の予定で行われる。そしてそれまでの時間、午後から一年目は仕事免除で練習期間に入った。
そして実際の会場になる訓練用の森は既に実践通りに区切られ、希望する者に貸し出されている。
今日のこの日は朝から楽しみで、正直仕事が手につかなかった。だって、当然だろ? あのメンツで訓練なんて、こんなに刺激的で楽しいゲームはない。
正直少し迷ってもいた。あのメンバーを見つけた時、味方になるか敵になるかを迷っていた。
あいつらと試合をするのを考えると、こんなにゾクゾクする事もない。だから最初は敵になろうと考えた。
けれど、冷静になって自分の入るチームがあいつらに当たる前に負けたんじゃ試合すらできないと考えたら、断然仲間になるほうが得に思えてそうした。
「やっときたか」
ゼロスがこっちを見て苦笑する。こいつは多分今の一年目の中では十本の指に入るほど強い。入団試験で組んだときにそれは確信できた。ちょっと硬いけれど、付き合いが悪いわけじゃない。なんだかんだと楽しい事ができる。
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