楽しいおにごっこ(レイバン)

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 足技を中心に身を軽くして迫ったレイバンを、ランバートは受け止めていく。身のこなしが独特だけれど、徐々に読めるようになった。基本、受けるよりも流すんだ。  手を伸ばして踏み込んだレイバンを交わすようにまた脇をすり抜ける。その瞬間を狙って、レイバンは更に手を伸ばした。腕章に触れられないように身をかわしているけれど、距離が縮まる瞬間がある。その一瞬だけが隙になる。 「!」  端の方を指にひっかけた。満足したし嬉しかったけれど、同時に無理な体勢で体が倒れる。前のめりに倒れそうになったレイバンの首の後ろを、ランバートが片手で引き上げてくれた。 「粘り勝ち」 「まったくだよ。疲れた」 「そんなこと言ってランバート、汗かいてないじゃんか」  涼しい顔をしているランバートを睨んで言うと、笑われた。その時離れた所から声がした。 「あー、ギリギリだったな。時間過ぎた」 「耳がいいんだな、レイバン」 「鼻もいいよ」 「動物?」 「お前もかよ」  軽く笑ったランバートと並んで審判席へと向かう道、レイバンは注意深くランバートの足音や気配を追った。けれどやっぱり、強く感じる事はなかった。
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