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全員が交代で一回ずつ鬼をやった。
結局全員を捕まえられたのはレイバンを含め、ゼロスとランバートの三人だけだった。
それでも意外な事が分かった。コナンが三人捕まえたのだ。トレヴァーはなんと一人だ。
「俺、ダメダメだ……」
地面に手をついて落ち込むトレヴァーは、流石に可哀想に見えた。単純だから、落ち込む時も大げさで単純だ。
「お前は少し騒がしいんだ、トレヴァー」
「うぅ…」
「まぁ、やかましいのは違う意味で役立つけどね」
情けないくらい落ち込んでいるから、レイバンは助け船を出した。そう、こいつは使いようってのがある。確かな力もあるんだから。
「役立つ?」
「囮。お前うるさいし、足が速いから騒いだまま走ってくれれば囮になる」
「そんな事かよ!」
「…いや、いい力じゃないのか?」
ランバートは考え込みながらゼロスを見る。ゼロスも頷いて、全員を見回した。
「コナンはどうして、みんなを見つけられたんだ?」
「目がいいって、オリヴァー様に言われました。鷹の目を持っているって」
「鷹の目?」
コナンはただ頷くけれど、楽しそうだ。小さくて頼りない彼が急に興味の対象になった。
「高い所から、標的を見つけられるってこと?」
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