試験当日

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★ランバート  レイバンと分かれたランバートは左手へと走る。程なく二人連れを見つけて、その様子をうかがった。幸いこちらにはまだ気づいていない。ゆっくりと距離をつめ、場所を選んだ。 「ランバートにだけは会いたくないよな」 「俺はゼロスとレイバンも嫌だ。あの二人だって容赦ないだろ?」  そんな事を話す二人の声に、ランバートは苦笑する。そして、少し足元のいい場所に出たのを見計らって走り寄った。  低い姿勢から加速して忍び寄ったランバートの初動に二人は十分反応しただろう。それでもランバートの方が場慣れしている。  一人が掴みかかろうとした手を取って背負い投げ、その隙に迫った奴の手を払っていなす。投げた奴のリボンを素早く手に取って奪い取ると、それを掴んだまま高く回し蹴りを食らわせた。 「くっ!」  頭を狙った蹴りを上手く腕で防御したが、威力はそれでも殺しきれなかったのだろう。横に倒れた彼は倒れた衝撃で呻いた。 「悪い、やりすぎた!」  一瞬焦ったランバートは、だが直ぐに痛そうに目を開けた彼が参ったように笑ったのを見て安心した。 「本当に強いな、ランバート。もう少し真正面から手合わせしたかった」  そう言った彼は自分の腕からリボンを外し、それをランバートに差し出した。 「いいのか?」 「卑怯は第五師団に似合わない! その代わり、絶対勝ち残れよな」  おずおずと受け取ると、彼はニッと笑った。その気持ちのいい心意気に満面の笑みを浮かべて、ランバートは確かに頷いたのだった。
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