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レイバンが珍しく嫌な顔をしていると、トレヴァーとコナンも合流する。そして全員で、試合フィールドへと向かっていった。
挨拶をして初期位置に立ったゼロスは、珍しく厳しい顔をして全員を見回した。そして、その視線をトレヴァーに向けた。
「次の試合、コナンは上から見て敵が来たことをトレヴァーに伝えろ。トレヴァー、お前はあいつらの前に出て囮になって俺たちの所に誘導してくれ」
ゼロスの提案は、レイバンやランバートを一瞬固まらせた。けれど一番固まったのは、間違いなくトレヴァーだろう。
「ちょ! 俺でいいのか?」
「お前が失敗したら俺たち三人でいく。でもできれば誘導してくれたほうがやりようがある。お前は一番足が速いから逃げ切れる可能性もある」
ゼロスは譲る気がないようで、真っ直ぐ射るようにトレヴァーを見ている。
ランバートも、レイバンも何も言わなかった。トレヴァーがやれないなら、他を考える。けれどやれるなら奴らの不意を突ける。
じっくりと腕を組んで考えたトレヴァーは、やがて全員を見回して頷いた。
「分かった、どこに誘い込めばいい?」
「ここだ。初期位置のここに誘い込んでくれ。ここでなら存分に暴れられる」
「罠もしかけようか。草を結んで輪にしてさ、足を引っかけるように」
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