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★ゼロス
トレヴァーと入れ替わりでフィールドに出たゼロスの前には、残るところ三人だった。最初に急き込んできた二人はランバートが蔦で作った縄に足を取られて転んでいる。そこをレイバンが素早く捻り上げ、リボンを奪った後だった。
「ゼロスゥ!」
一番背の高い銀髪の男が唸るような声で言う。その顔を見ると、どうも見覚えのある人物だった。
「入団テストの…」
「そうだ! お前と当たって、お前にやられた奴の顔だ! 覚えとけ!」
そうは言われても、いちいち覚えていられない。何より基本的な実力を見るための入団試験で、負けたら後が無いわけじゃない。事実こいつも無事に合格できてるわけだから、そんなに恨まれるような事をしたつもりはない。
けれど相手は違うようだ。今にもかみ殺しそうな雰囲気で近づいてくる。近づこうとしたランバートとレイバンの前にはそれぞれ違う人物が立った。
「この時を、とにかく待っていたんだ。俺の顔に泥を塗ったお前を倒す日をな!」
「悪いが、泥を上塗りする事になると思うぞ」
「ほざけぇぇぇ!」
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