第一試合

8/9
前へ
/131ページ
次へ
 レイバンとランバート、両方からの威圧感に負けたように男は何も言わなくなる。ゼロスが避けても、項垂れたまま動かなかった。それはそれで心配だが。 「トレヴァー、大丈夫?」  茂みの中から心配そうなコナンの声がして、全員がそっちに向かう。トレヴァーは地面に転がったまま、安心したように寝ていた。こいつもある意味で凄い奴だ。 「寝るかぁ、こんなところで?」 「こいつ、簡単には死なないな」  信じられないとレイバンが声を上げ、ランバートが穏やかに笑う。ゼロスは肩を担ぐと審判達のいる場所へと歩いていく。丁度、試合終了の鐘が鳴った所だった。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

585人が本棚に入れています
本棚に追加