友人

2/8

585人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
 どこからか戸惑いの声が漏れる。皆それを感じているのか、同じ言葉があちこちから聞こえる。 「チームには色の違う五本のリボンが渡される。リボンは色によって得点が違う。一点、三点、五点、七点、十点だ。決まったフィールド内でそれらを相手から奪い、得点が多いチームの勝ちとなる」  フィールドは訓練用の森を仕切り、各フィールドに審判が複数人付く。試合時間は全部で三十分。挨拶をして、その後五分の作戦会議、実際のゲーム時間は二十五分。  リボンを取られたら速やかにフィールドを出て、審判の元に行くこと。相手チームのリボン全てを奪えば時間に関わらず終了となる。  これが、ファウストから説明された内容だった。 「この場でチームを決めて登録とする。決まりしだい前に出て名前を記入しろ。また、後日メンバーの入れ替えなどは許されない。しっかり考えて組め」  その言葉を最後に、全員がオロオロと仲間捜しに走り始める。その中でランバートは動けなかった。  親しい同期がいない。よく考えると先輩などとは仲がいいが、同期とは関わっていない。  大抵は入団前のテストなどで関わりがあり、そこで仲良くなるそうなのだが中途のランバートはそんな相手もいない。  しかも普段はファウスト達と過ごす事が多くて、同期とは遊んでいなかった。     
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

585人が本棚に入れています
本棚に追加