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「うーん、どうしようかな。もう少し遊んでもいいけれど」
悩むような口振りの後、突如体が放り出される。お尻から落ちたコナンは、マジマジとハリーを見上げた。
「コナンが俺に一撃入れたのって、初めてだから。これは、ご褒美ね。いい感じだったよ? ちょっと面食らった」
上から褒められても何も嬉しくない。コナンは睨み付けると立ち上がり、構えた。
「やるの?」
「やる!」
「いいけど、怪我しないでね」
緊張した感じが広がっていく。自分の心臓の音がやけに大きい気がする。喉が渇く。それに、どこからかドタバタと音がして……。
ドタバタ?
「どいてくれぇぇ!」
突然脇の方から現れたトレヴァーにコナンは驚いた。ハリーも驚いて後ろに飛んだ。
そこを、トレヴァーが走り込んできてコナンの側にくる。そんなトレヴァーの後ろから、同じくらいの青年が走り込んできた。
赤茶けたトゲトゲした髪に、ヤンチャっぽい黄色の瞳、身長はそう高くない。息を切らしたその青年は一度立ち止まって息を整えると、キッとトレヴァーを睨み付けた。
「逃げるなトレヴァー!」
「いや、逃げるだろうが!」
コナンを置き去りにして言い合いをしそうな二人にオロオロしていると、困った顔のハリーが溜息をついていた。
「トビー」
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