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完全に裏をかかれた。
多分、悩むファウストに入れ知恵をした人物がいるだろう。シウス辺りに違いない。
幸いなのが今の一年目は五人で割りきれる。必ずどこかのチームには入れるだろう。
これは最後まで残るだろう。どこかにおこぼれで入れればいい。誰だって関わった事の無い相手と団体行動なんてしたがらないのだろうから。
そんなネガティブな考えでいると、不意に後ろから肩を叩かれた。驚いて振り向いたランバートの前には、一人の好青年が立っていた。
短く刈り上げたこげ茶色の髪に、同色の瞳は見る者に好印象を与える明るさがある。身長はランバートよりも少し高くて、実に健康的な青年だった。
「ランバート、だよな? なぁ、誰かと組んだか?」
「え? いや、まだ…」
「よっしゃ! なぁ、俺と組まないか?」
「え?」
展開が早すぎてついて行けない。そもそもランバートはこの青年の名前も知らないのだ。
「あっ、悪い! 俺、第三師団のトレヴァーっていうんだ。もし嫌じゃなかったら、俺と一緒にやろうぜ。俺、お前と話してみたかったんだ」
少し早口に言ったトレヴァーはニコニコとして手を差し伸べてくれる。ランバートは驚きながらも、その手を取った。
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