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ごつい腕が伸びてくる。体を硬くしながらも、コナンはそこにいた。けれど、その手が腕を掴むよりも前にレイバンは前に出て男の顔面を足蹴にしていた。
「レイバン!」
「コナン、危ないから隠れてな」
「でも!」
「このくらいでやられたりしないから、平気」
でも、平気そうな顔をしていない。不敵に笑っているけれど、その笑みが時々引きつっている。痛いはずだ、あんなに激しくぶつかったんだから。
「トレヴァー、トビーは片付けたからハリーをなんとかしろ!」
ビクッとしたトレヴァーが、側のハリーを見る。ハリーは少し考えて、走りだしていった。トレヴァーがその後を急いで追いかけ始める。
「コナンは違う所に逃げて」
「僕は側にいる。これでも、第四師団なんだ」
レイバンは怪我をしている。第四師団の重要任務は仲間の救護。レイバンはコナンにとって、今は救護対象者だ。
レイバンは困った顔をして、それでも笑って頷いてくれた。
「離れてなよ」
「うん」
レイバンから少し距離を取って、コナンはそれでも前に出られる準備はした。最悪二人の間に割って入って止めようと思ったのだ。無謀だけれど、できなきゃいけない気がしたのだ。
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