決勝戦2

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 ランバートは付き合いが良くて話が面白くて、案外人を安心させる部分がある。いい意味で近寄りやすい。  でもそれは、味方だからだ。友好的な相手だからだ。もしも敵対したら、その瞬間向けられる瞳はこれだ。見た瞬間にこちらの負けを悟らされるような、残酷なものなんだと。 「レイバン、無事か?」  レイバンに向けられた瞳からは、もうあの冷たさは消えている。心から友人を案じる気遣わしく、そしてどこか痛みを感じるものだ。  こんなに瞬時に変わるものなんだと、あっけにとられてしまう。 「あぁ、平気」 「怪我は?」 「背中を少し打ち付けただけだ」  そう言うと、ランバートは直ぐに背中へと回る。正直あの顔を見た直後で背後を取られると怖い。信じているけれど、本能ってそういうものとは別次元だから。 「かなり強く打ってる。それに、足も動かないだろ。首にも負担がかかってるみたいだし、医療府に診せてこい」 「それって、棄権するってことだけど? そうなると俺の得点、相手に持ってかれる」  棄権はその時点で相手の得点になる。レイバンが持っているのは五点。相手にそれだけよこすことになる。それはなんか納得できない。     
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