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ふて腐れるレイバンに溜息をつきながら、ランバートは離れていって伸びているドゥーガルドの腕からリボンを取る。レイバンと同じ青いリボンだ。
「これで、相殺」
「…嫌って言ったら?」
「僕が意地でも引っ張っていく!」
見るとコナンが側にいて、顔を真っ赤にしている。かなり怒っているのは分かるけれど、どう見てもリスっぽくて可愛い。なんて、真剣な子に言っちゃいけないんだよね。
「僕がダメだったんだ。僕が、もっとちゃんと避けられればレイバンは怪我なんてしなかった。この怪我は僕のせいなんだから、僕が責任もって審判に言ってくる」
「コナンで俺を引っ張って行けるの?」
言ったら、余計に怒った。顔を真っ赤にして、目に涙を溜めて。困ったな、こんな顔されると虐めてるみたいじゃないか。
「どうにかする!」
必死に腕を掴んで引っ張るその力は、案外強い。最初から考えるとコナンも実力をつけてきたって事なんだと思う。
頭を掻いて、少し困って、そして笑った。ほんの少しおまけを貰ったら、この場を引いてもいいような気がしてきた。何よりコナンじゃない人物が、徐々に冷気を放ってきているし。
レイバンは引っ張っているコナンの腕を掴んで引いて、その頬にキスをする。真っ赤な顔が更に赤くなった気がしたけれど、それが楽しいなんてダメだな。
「リンゴみたいだよ、コナン」
「!」
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