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「だと、いいんだけど」
励ましてくれるレイバンに、ランバートも苦笑した。
そうするうちに逃げ切った面々も戻ってきた。トレヴァーとコナンは無事に生き残っている。こちらの失格は二人、対してあちらは三人。だが、得点で言えばどうなるのか。
「決勝戦の結果が出た。全員、中央に集まれ」
審判からの声がかかり、両チームとも無言のまま歩いていく。そうして戻った中央は、既にこの後のご苦労さん会のセッティングがされて、割れんばかりの歓声で迎えられた。
「決勝の結果を発表する!」
両チームの無事な面々が台の上に上げられ、ファウストを挟むように並ぶ。わくわくしたような同期の顔を見回しながら、ランバートは表情を沈ませた。結果は分かっているから。
「十五対九で、コンラッドチームの勝ちだ! 優勝は、コンラッドチーム!」
瞬間、割れんばかりの歓声が上がる。その声を悔しいと感じるのは、意外と真剣になってしまっていたからだ。最初は気軽なゲームのような感じだったと思うのに、今はこんなにも悔しい。一人ではないのが、余計に。
ポンッと、隣のゼロスが肩に手を置いて笑う。もう片方の肩を、トレヴァーが叩く。満面の笑みだ。
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