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「なんとか間に合ったみたいで、俺も安心したよ」
ハリーが苦笑して握手を求めてくる。それに応じて、ランバートは素直に礼を言った。
「助かったよ、知らせてくれて。そうじゃなかったら、間に合わなかった」
「お役に立ててなにより」
「どういうこと?」
コナンが不安そうに立っている。ランバートが事の経緯を話すと、意外そうな顔をしながらもペコリと頭を下げた。
「助かりました」
「ううん、いいよ。この猛獣に首輪つけとくこともできないし、暴れると俺じゃ止められないからさ。ランバートが止めてくれて助かった」
そう言うと、ハリーは笑う。こちらもちょっと癖がありそうだ。
「今回の試合は、案外いい情報も得られた。ゼロスの隊、ボリスの隊、コンラッドの隊はこのまま小隊として組ませてもいいくらいだ。事案によっては、本当に組んで任務をして貰うこともあるかもしれない」
ファウストが真面目な顔でそんな事を言う。この顔は、本当にそんな事を考えているだろう。ランバートは察して、そしてその日が楽しみだった。
今の仲間が好きだし、一緒にいて楽しい。彼らとこなす任務はきっと、どんなものでも充実したものになるだろう。そんな予感がしている。
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