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眩いヒカリの中にいるみたいに
ずっと弾け飛ぶ何かを感じていた。
組み敷かれて、最奥をつつかれ乳首に歯を立てられる。
「っ、い、っ」
痛いと思ったのは一瞬で、すぐにじわる快感にすり替わっていった。
ちゅくちゅくと吸われると今度は擽ったさに包まれた。
飼い犬が喜んで主の顔を舐めるみたいに
乳房全体を何度もそうされて危うく昇りつめそうになった。
どれだけ経験すればこんなセックスが出来るようになるんだろうか。
今までにこうした女はこの男を手放す事は出来たんだろうか。
そんなことが過ると行為中だというのに途端に黒いモヤが腹の底に湧いた。
見世で見た加風が後藤田様の横で微笑むのを思い出した。
宴席場で踊りの最中に
彼の隣に見た吉野のことを思い出した。
おかしい。
これじゃまるで嫉妬してるみたいだ。
わたしの大客人であることは間違いないが白金楼の客人なんだ。
二階でのお相手でもないのにそんなことを思うなんて
どうかしてる。
「あぁっ」
一際甲高い音が喉の奥から漏れ出た。
淡い霞がかかったみたいに目の前がぼやけ、内臓を中心に風が巻き起こったみたいに全身に圧力がかかった。
ハッキリしない視界の中に
眉間に皺を刻み、苦しそうに瞳を歪める後藤田様の姿があった。
右手が腰の位置から斜めに入り込みわたしの右肩を強く抱く。
左手が頭を支え、合わさった身体にのしかかられて完璧にホールドされ
すぐ目の前に唇が迫り、奥へ奥へと押し付ける更に奥からは聴くからに不埒な連続音が続く。
「胡蝶」
乱れる吐息の中、呼ばれ
わたしの腹に湧いた黒よりも、もっとずっと闇色の瞳を見つめた。
「……デる」
ゴクリと喉の隆起が大きく動いて、呻くような音が口から漏れた。
大きく引き抜き、今日一番の猛る入りを見せ
「、ふっぁ」
わたしの首筋に喰らい付いた。
ああ
自分の腹の下で蠕動する塊を感じる。
後藤田様の顳顬から二筋、汗が流れて、そのうちのひとつがわたしの頬を濡らした。
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