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(少なくとも、絹江婆さんはピンピンしていたな。それなりに良い人生だったワケか)
綾瀬は何となく晴れやかな気持ちになり、駐車場から車を発進させる。
そんな、なぜだか穏やかな様子の綾瀬を見遣りながら、佐々木もまた気分を持ち直していた。
(まぁ――オレも欲しかったワインを手に入れた事だし…今回はこれで納得するかな…)
クスッと笑いながら、彼は口を開く。
「それじゃあ今度は、ちゃんとベストシーズンに慰安旅行を計画しましょうよ」
「そうだなぁ――…」
少し考え、綾瀬は微笑みを浮かべる。
「にっこうきすげが咲きそろう7月とかも、いいかもしれないな」
END
蔵王の御釜📷
撮影/亜衣藍
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