11 最終章

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(少なくとも、絹江婆さんはピンピンしていたな。それなりに良い人生だったワケか)  綾瀬は何となく晴れやかな気持ちになり、駐車場から車を発進させる。  そんな、なぜだか穏やかな様子の綾瀬を見遣りながら、佐々木もまた気分を持ち直していた。 (まぁ――オレも欲しかったワインを手に入れた事だし…今回はこれで納得するかな…)  クスッと笑いながら、彼は口を開く。 「それじゃあ今度は、ちゃんとベストシーズンに慰安旅行を計画しましょうよ」 「そうだなぁ――…」  少し考え、綾瀬は微笑みを浮かべる。 「にっこうきすげが咲きそろう7月とかも、いいかもしれないな」                END a4e93c0c-6a73-43c8-a2d1-5d8fb1d98b67蔵王の御釜📷 撮影/亜衣藍
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