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「……何なんだかなぁ…」
佐々木はその後を追う事もしないで、ただ無言のまま見送った。
本当に、親切で忠告したのかもしれないし、こんな所では娯楽も少ないだろうから、興味本位で話しかけてきたのかもしれない。
いずれにせよ、佐々木はそれ以上その少年に係わる気はなかった。
――しかし、本当に見事にどこの店も閉まっている。寒いし、もう宿に帰るか……
彼はそう思うと、小さくクシャミをしながら、宿の方へと踵を返した。
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