夢のような日々

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夢のような日々

遼介の日記 12月18日 曇りのち雪 今日は昼食後に思いもよらない吉報が舞い込んだ。 『佐野さんに会いたい』 彩矢ちゃんからのLINEだった。 半信半疑のままに『6時30分に迎えに行く』と返信した。本当だろうか? 嘘でもいい、とにかく本当に彩矢ちゃんからのLINEが来たんだ。 6時15分に彩矢ちゃんの家の前に着いたけれど、本当に来てくれるのだろうか。 6時30分きっかりに彩矢ちゃんが出で来た。 コートを着ていても、随分と痩せてしまったように見えた。 黒いベレー帽がとても似合っていて可愛かった。 申し訳なさそうにうつむいて助手席に腰を降ろした彩矢ちゃんに、なんて話しかけていいのかよくわからない。 取りあえず、夕食を食べようということになり、彩矢ちゃんがお好み焼きがいいと言ったので、前に有紀と行ったことがある札幌駅そばのお好み屋に入った。 子供用のお好み焼きを半分以上も残した。 いかにも食欲不振なのは分かっていたのだから、こんなコッテリとしたものより、あっさりしたものの方が良かったよなと後から思った。 イルミネーションを見ながら、彩矢ちゃんとふたりで歩いていることが信じられない。 まるで10代の頃にでも戻ったかのように、緊張して気持ちが高ぶった。 今思うとかなり恥ずかしいようなことも口走ってしまったような気がする。でも彩矢ちゃんはまた、明日も会ってくれる約束をしてくれた。 今度はもう、たった一度のデートで終わらせたくないけれど、松田先生のことは諦めがついたのだろうか? こんな事はちょっと聞きにくい。 さすがにあんなことが起こったら、いくら好きでも会えないのかもしれない。
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