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辻上との情事は、今まで未波が体験した中で一番熱いひと時だった。
しかも彼の言動とは真逆に、
辻上は、この上ないほど優しく大事に未波を抱いた。
そして、狭いベッドの中でクッションの上で手枕をして
天井を見つめる彼の肩にこめかみを寄せ、未波は静かに尋ねる。
「ねぇ、レイ」
「ん?」
「どうして学校に通い始めたの?」
いつもの事ながら、未波に他意はなかった。
そして辻上も、隠す理由はなかったらしい。
「元々、それを目指して大学にも入った。
けど俺が20歳の時、親父の会社が潰れたんだ」
そして多額の借金を抱えた父は、家族を守るために離婚。
この事があって、辻上も大学を中退したという。
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