11 ポトスの呪い

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体だけはでなく、互いの想いが熱を帯びて まるで、体と一緒に絡まり合うようだった。 だから、どれほど互いを求め合っていたのかが 言葉もないまま、手に取るようにわかる。 そんな感情が激しく絡まり合った荒々しい情事が終わり、 片腕で囲われる彼の胸に頬を寄せて、未波は呟いた。 「レイ、初めて私の名前呼んでくれた」 「初めて? そんな事ないだろ」 そのセリフに、未波は、顔を上げて辻上をちょっぴり睨んだ。 「ああっ、やっぱり自覚なかったんだ」 「けど俺、あの日以来、一度も『アンタ』とは言ってないはずだぞ」 「でもその代わり、『お前』か『なあ』か『おい』ばっかり」 拗ねたような未波を前に、辻上の顔に困惑が浮かんだ。
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