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そして、小さく視線を外してボソリと言う。
「言っただろ。気持ちがあるヤツには、いつも以上に不器用になるって」
未波は、そっと彼の胸の上に顔を埋めた。
「でも、想いが通じてる好きな人から名前も呼んでもらえないのは、
ちょっと哀しいよ」
未波を乗せたまま、辻上の胸が淡く溜息を零した。
そして、胸の上の彼女の頭をそっと撫でる。
「努力はする。けど、俺がそういうの苦手なのも分かってくれ」
うん。
そういう辻上に惚れてしまったのだから、未波は頷くしかない。
そんな彼女をあやすように、辻上の手が、彼女の頭をポンポンと優しく撫でた。
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