11 ポトスの呪い

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ほうれん草のお浸し、甘辛く煮た、かんぴょうと干し椎茸。 かまぼこと、甘い厚焼き卵。 昨夜の内に準備したそれらの具材を暖かいうどんの上に載せ、 あんかけにしたつゆを掛けたおかめうどんを、辻上は美味そうにすすった。 そして、うどんが喉を通ると低く呟く。 「美味い」 良かった。 未波は、ホッと微笑んで、自分の丼から卵を摘み上げる。 「おま……、未波の味は俺に合う」 お前と言いかけて、慌てて引っ込めたのだろう。 そんな彼が可愛くて、未波は、小さく笑いながら「ありがとう」と礼を言う。
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