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「あれ、ポトスっていう観葉植物。
レイのピアノみたいに、落ち込んだ時に、命の温もりを感じたくて買ってきたの」
「仕事か?」
うぅん。
未波は、彼の腕の中でかぶりを振った。
「失恋。二回とも、なぜか私がフラれたの」
「付き合ってたのか?」
「うん。二人目の時なんて、結婚もあるかもなんて思ってた。
だから、私って魅力ないのかなって落ち込んでね」
ふぅーん。
なんとなく、気のない相槌が頭上に降ってくる。
それだけにこの時は、よもやこれが彼にあんな呪いになろうとは、
未波は思いも寄らなかった。
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