11 ポトスの呪い

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連絡先を交換していた絹矢から、定時後に連絡があったのは、 それから一週間を過ぎようとしていた時のことだった。 「未波ちゃん、辻上さんとケンカしたの?」 その問いに、咄嗟に未波は、辻上とのことが絹矢にバレてしまったのかと にわかに焦りが浮かんだ。 お蔭で、出て来たエレベーター前で、思わず声が張り上がる。 「な、なんで?」 「だって辻上さん、なんか元気ないし、今日なんか荷物出し忘れそうになってるし。 それにさ、『未波ちゃん元気?』って訊いたら、怒って答えてくれないんだもん」 そして、再び「ケンカしたの?」と尋ねられる。 えっ……。 言葉に詰まった未波の中で、一気に不安と心配が辻上に向いた。 レイが、荷物を出し忘れる? そんな事、彼に限って有り得ようもないのに。
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