夜中

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そのホームページは見つけたいと強く願う人にしか見つけられない… そんな都市伝説を聞いたのは高校生の頃だったか。 ナオトは一心に画面を見つめている。 彼はある呪術師のホームページを探していた。 そこで頼めば何でも願いをかなえてくれるという。 しかし見つけるまでが大変だ、と友人に聞いた。 見つからないんだよね、でも噂になるんだから誰かは行ったんだろうけどね、と心もとない。 もう一週間は過ぎようとしているが、なかなかそれらしいものにはヒットしない。 画面が反転して見つけた?という言葉が出たらホームページにたどり着けるらしいけど…そのためには強い気持ち、どうしても叶えたいと思う気持ちが必要らしい。 ほんとに念じるだけでいいのかな?と、つい疑いそうになる心を抑えて画面をのぞき込む。 疑ってはいけない。 そもそも誰かに呪いをかけてもらう行為自体が怪しいんじゃないか?と自分の中から声がした。 いやいやいや!彼はぶんぶんと首を振り、それは言わない約束よとひとりツッコミした後、また画面を見つめる。 神様仏様、どうかサイトに行けますように 無信仰なのにこんな時にはお願いしてしまう自分をクスリと笑いながら画面を見続けた。 ブォ、、、ンと画面が暗くなった。 ドキドキして見ていると 黒の画面に 君さ、ムシがいいよね。信じてないものにお願いするんだー と白抜きの文字が浮かんだ。 そして ギャグが古いよ、と続きも浮かび上がってきた。 失礼な、と思うまもなく また画面が反転して見つけた?と文字が浮かんだ。 やっ、、、た。 たどりついたぞ!思わずガッツポーズをした。
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