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 しかし持ち合わせがない。夜まで待ち、同行者にお金を借りるという手もあるが、それまで空腹を我慢できそうになかった。先に進むのならまた一晩歩かねばならないのだ。さすがに二日食事抜きで過ごす自信はない。思案し、姉にメッセージを送った。 ―終電を逃してお金がない。親に知られたくないからお金を送ってください! お願いします!  三十分ほどでLINEを通して五千円が送金されてきた。 ―この借りは高いぞ!  というメッセージと、幼稚園の制服姿の茉莉が指鉄砲を撃つ写真が送られてきた。土下座するスタンプを返した。  コンビニのATMから出金し、弁当を買った。  イートインで腹を満たすと、今度は睡魔に襲われた。
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