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 問いかけられると検索しなくてはならない気になってくる。調べたが近くに民家も商店はない。 「休める場所を探そう」  岩下が言った。  岩下と須田と共に坂を下った。坂の中腹まで来ると、岩下は棚田状の土地に足を踏み入れた。  青い三角屋根の平屋に、灰色のドア・腰高窓・腰高窓・灰色のドア・腰高窓・腰高窓と、規則正しくパーツが並んでいる。 「長屋・・・・・・いや、団地だな」  岩下が窓に顔を近づけた。窓ガラスをノックするが反応がない。次に彼は拳大の石を拾い、ためらいなく窓を割った。  突然のことに声が出なかった。  その間にも岩下は革手袋をはめ、ガラスが割れたところから手を入れ鍵を開けた。 「何やってんですかっ?!」  ようやく声が出た時には、岩下は窓枠に足をかけていた。 「大丈夫、空き家だ」  するりと侵入する。 「そういうことじゃなくて・・・・・・」 「いい子ちゃんだなぁ」  須田が窓に歩み寄り、室内をのぞき込んだ。 「廃屋のわりにキレイですね」 「棄てられてさほど時間がたっていないようだ。半日休むのにはちょうどいい」 「ですね」 「何言ってるんですか。見つかったら通報されますよ」  室内の岩下に言う。隣で須田が「チキン」と呟いた。     
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