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 一行が足を動かすたび道が光る。  道が左にカーブした。列の先頭が見えた。  さっき見た黒いジャージ姿の男性と、あずき色のジャージを着たおさげの少女が並んでいる。まるで教師と生徒だ。  少女は、かぶせ蓋がついた小さなリュックを前抱きにしている。  二人の後ろに黒髪を一つに束ねた女性が歩いていた。彼女もリュックを前抱きにしている。 「いっしょ、いっしょ、いっしょ、いっしょ・・・・・・」  あずき色ジャージの少女がおさげを揺らし「いっしょ」にメロディをつけリピートする。つられて口ずさむ。歩き続けることにうんざりしていたので気が紛れた。
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