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「キュゥぶぇえ、さくぷんクッキングー!」
やめろ、フリル付きのエプロンとか誰得なんだよ。あと、エプロンに描かれた赤い目玉が妙に怖い。そのくせ、口が猫だ。猫の絵文字のやつだ。
「今日のメニューは、甘辛牛丼とコーンサラダ。材料はこちらです」
また銀色のバットを出してくる櫻井。キャベツが丸々一個にコーン缶。刺々しいキュウリにタマネギ。あと、米国産の牛バラ肉。
「先ずは、牛バラ肉を秘伝のタレに漬け込みます」
櫻井はタッパーに牛バラ肉を解して入れ、市販されている焼き肉のタレを注ぐ。秘伝とは?
「そうして漬け込んでおいたものがこちらです」
牛バラ肉の脂身は茶色く染まり、タレの上部には脂の煌めきがあった。
「では、タマネギを剥いて切りましょう。目に滲みても、涙は堪えて下さいね」
キャベツはどうした。いや、切り方はどうした。
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