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言葉の音
最初から異常だったから今さらだとは思うけれど、限界に体が軋む。
二十歳を目前にしてようやく完成しつつある頭の中の、過去を描いたパズルは酷いありさまで、分からなくて苛立っていた今までの方がマシだと思える。
私の知る限り、いつも窓の外に広がっている立ち枯れの森みたいに人の心は不安定だ。急に強い風が吹いたりして、倒れているのを見た事がある。
だからと言って嫌な事ばかりじゃなかったと言いたくなるのは、私が定型文のような人間だからかもしれないし、人より強かだからかもしれない。未だに何者にもなれないけれど、人並み程度という枠から外れてはいないと思う。庭のミニ薔薇みたいに、雪に押しつぶされても蕾を枯らさないくらいの強かさなら持っている。大抵の人はそれを可愛くないと言うけれど。どうしてこんな性格になってしまったんだろう? 少しだけ生き難い。
何が言いたいかというと、死にたくなる前に一人で旅に出ようと思う。
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