結ばれた時の事

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結ばれた時の事

 クロノの部屋に僕は連れてこられた。  一応は魔王の城の一室もあったりするが、そこよりも寝心地がいいように変えられるこの、“世界の狭間”と呼ばれる場所の方がクロノは好んでいるようだった。  ちなみに以前僕もこのベッドルームに連れてこられた時があったが、特に何もなかった。  そう、以前は何もなかったのだが……。 「クロノ」 「なんだ」 「なんで僕、押し倒されているんだろう」 「両想いになったから、もう襲う」 「その前のデートとかそういった過程は」 「俺が我慢できなくなった」  そう言って、白いシーツのふわふわベッドに押し倒された僕は、そのままのしかかってきたクロノにキスされる。  唇と唇が重なった瞬間、幸せだと僕は思った。  温かいその感触はずっと待ち望んでいたものそのものだった。  そうすると自然と体の力が抜けて行ってしまう。  そこで唇が離れて、僕はクロノと見つめあう。  熱っぽい視線を送られて、僕も見つめ返す。  どちらともなく、もう一度キスをして、そして僕はある事に気づいた。
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