憧れの先輩

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憧れの先輩

トクン。 胸が鳴る。今日も通った。 私は徒歩通学。先輩は自転車。 毎朝の至福の時。 「今日もカッコいいなー、八神先輩。」 「毎朝幸せそうだね。羨ましいよ。」 「恋は元気の源だよ!」 私は、神永優愛。高校2年生。隣は木原沙紀。小学校からの大親友。 そして、私の好きな人は、八神俊樹先輩。 長身で爽やかイケメン。弓道部の1個上の先輩。あと1ヶ月で先輩も引退。 心がはやる。 放課後、部活に走る。先輩に早く会いたい。 部室に着くと、先輩が見えた。 「八神先…」 先輩に話しかけようとしたが、隣に紫吹瑠璃先輩がいた。瑠璃先輩は清楚な美人で八神先輩の幼馴染。2人は同じマンションに住んでいる。 「あっ、八神先輩だ!」 「瑠璃先輩とお似合いだよね。」 後から来た部員が話している。 そうだよね。私なんかじゃ… 「優愛?元気ないね。どうしたの?」 「私なんかじゃ無理だよ。八神先輩は瑠璃先輩とお似合いなんだよ。私なんか、先輩と釣り合わない。」 「…あのさ、優愛。釣り合う、釣り合わないって何?」 「…え?」 「釣り合うとかって、誰が決めるの?」 「それは…」 「優愛。あんたは、見た目によらず純粋で、可愛いし、素直ないい子だよ。もっと自信持って良いんだよ。 」     
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